千葉組連続研修会 第2回 宗教の中の仏教 4 仏教の教え

2018.1.30 浄土真宗本願寺派最誓寺住職 堀田了正

 

仏教の教え(基本)
三法印  諸行無常・諸法無我・涅槃寂静の仏教の3基本概念の事。
1.諸行無常 ショギョウムジョウ
一切の現象は留まることなく、生じ、そして滅して、決して固定しているものではない。変化する事が当然な事である。
2.諸法無我 ショホウムガ
生滅が真理であるので、生滅する主体(我・アートマン)はない。
3.涅槃寂静 ネハンジャクジョウ
涅槃 (ニルバーナ)とは全ての煩悩の火が消え去った状態。何ものにも心を煩わされない状態の事。
上の3に下記の「一切皆苦」を加えて四法印ということもある。
一切皆苦 イッサイカイク
全ての生起する現象はいずれは滅するのであるから、一切は苦に過ぎないという事。
四諦  苦からの脱却を原因と結果(因果)との体系で説いたもの。
1.苦諦 クタイ 一切の現象は苦であると知ること。生・老・病・死を四苦といい。以下の四苦を加えて「四苦八苦」と云う。

愛別離苦アイベツリク 愛する者と分かれる苦。
怨憎会苦オンゾウエク 怨み憎む者とも会わねばならない苦。
求不得苦グフトック 欲しい物が求められないという苦。
五蘊盛苦ゴウンジョウク 五感等認識精神作用が深まる事によって生ずる苦。 
2.集諦 ジッタイ 苦の原因を人間の欲・執着・無知であると知る事。
3.滅諦 メッタイ 苦の因である欲・執着・無知を滅する事により、理想の境地である涅槃に至ると知ること。
4.道諦 ドウタイ 理想の境地(涅槃)に至る方法を説いたもの《八正道》
八正道 ハッショウドウ  涅槃に至るための実践修行を8に分けて説いたもの。相互に関連し一つを実践する事は他の7つを必然的に含む相摂関係にある。
1.正見 ショウケン 正しい見解。
2.正思惟 ショウシユイ 正しい意志決定。
3.正語  ショウゴ 妄言・中傷せず正しい言葉を用いる。
4.正業 ショウゴウ 殺生・妄言等悪を犯さないこと。
5.正命 ショウメイ 身・口・意シンクイの三業を正し、生活を正しく律すること。
6.正精進 ショウショウジン 正業、正命のため正しい努力をする。悪を除き善を行うこと。
7.正念 ショウネン 正精進を更に進め、一切の邪念を断ち、心を正しく保持する事。
8.正定 ショウジョウ 常に禅定によって心を静め、精神の安定を保つこと。