ロシアのウクライナ侵攻を仏教徒は

浄土真宗本願寺派(西本願寺)の声明と義援金募集のお願い

 

シア連邦によるウクライナ侵攻に対する声明

 2022年2月24日、ロシア連邦がウクライナへの軍事侵攻に踏み切りました。

 ウクライナの各都市では子どもを含めた多くの民間人が犠牲となり、加えて100万人を超える国民が難民として避難を余儀なくされていると報道されています。

 私たち浄土真宗本願寺派は、いかなる理由があろうとも、人命を軽視し、武力で一方的に現状を変更しようとする暴力的な行為に抗議し強く反対の意を表します。

 このたびのウクライナへの侵攻だけでなく、世界各地でテロや武力紛争が続いている現実があります。あらためて、あらゆる場での暴力の行使を非難するとともに、一刻も早く対話による平和的な解決がなされ、ウクライナに再び平和が訪れますよう願うものです。

 思想文化や制度による厳しい対立や相互の排除をのり越えて、自他共に心豊かに生きていけるよう、共に努力する先にこそ、恒久的な平和を実現する道が切り拓かれてくるものと確信いたします。


2022(令和4)年3月8日

 

浄土真宗本願寺派総長 石上 智康


浄土真宗本願寺派宗会もロシア非難決議 ウクライナ侵攻で

 浄土真宗本願寺派宗会は4日、ロシア軍のウクライナ侵攻を非難し、戦争の早期終結を願う決議を全会一致で採択した。

 決議はロシア軍の侵攻を「武力で他国の主権を蹂躙(じゅうりん)する蛮行」と非難し、被爆国の市民、生命を慈しむ仏教徒、世の安穏を願う念仏者として「戦争の一刻も早い終結を願う」としている。佐賀県など全国各地の代表が参加した宗会の最終日に、議員有志が提出した。

浄土真宗本願寺派たすけあい運動募金 「ウクライナ緊急支援募金」募集について

 浄土真宗本願寺派では、ロシアの軍事侵攻により避難生活を余儀なくされているウクライナの人々を支援することを目的に、緊急に「たすけあい運動募金」において標記募金の募集を開始いたしました。
 つきましては、募金にご協力いただきますよう、下記の通りお願い申しあげます。

 

「ウクライナ緊急支援募金」

1.募金の名称   浄土真宗本願寺派 たすけあい運動募金

          「ウクライナ緊急支援募金」

 

2.受付口座番号  郵便振替 01000-4-69957

           加入者名 たすけあい募金

 

          銀行振込

           銀行 ゆうちょ銀行

           店名 一〇九(イチゼロキュウ)店

           番号 当座 0069957

           名義 たすけあい募金

          ※通信欄に「ウクライナ緊急支援」とご記入ください。

 

          お預かりした募金は指定寄付金として、関係団体へ送り、
          難民支援等に充てさせていただきます。

 

3.受付期間    2022(令和4)年3月10日(木)から当分の間

 

4.問い合わせ先  〒600-8501 京都市下京区堀川通花屋町下ル本願寺門前町

           浄土真宗本願寺派伝道本部

           社会部<災害対策担当>   TEL:075-371-5181(代表)

世の中安穏なれ 仏法広まれかし

《『親鸞聖人ご消息』 第25通 現代語訳 》

 「浄土に往生できるかどうか不安なひとは、まず自らの浄土往生をお考えになって、念仏するのがよいでしょう。

 自らの往生は間違いないと思う人は、仏のご恩を心に思い、それに報いるために心を込めて念仏し、世の中が安穏であるように、 仏法が広まるようにと思われるのがよいと思います。よくお考えになってください。この他に、特に何か考えなければならないことがあるとは思いません。」

 

 

《『仏説無量寿経下巻』現代語訳 》

 

 

「仏が歩み行かれるところは、国も町も村も、その教えに導かれないところはない。そのため世の中は平和に治まり、太陽も月も明るく輝き、風もほどよく吹き、雨もよい時に降り、災害や疫病などもおこらず、国は豊かになり、民衆は平穏に暮し、武器をとって争うこともなくなる。

《『法句経』ほっくきょう)現代語訳)》

 この世において、いかなるときも、多くの怨みは怨みによっては、決してやむことがない。

怨みを捨ててこそやむ、これは永遠の真理(法)である。

 

※お釈迦様は、「人生は苦なり=四苦八苦」とお説きになりました。その苦の一つに、怨憎会苦(おんぞうえく)があります。「怨み憎む者と会わなければならない苦しみ」です。

 怨みを捨てることのできない私であると、阿弥陀様の智慧の光に照らされて知らされます。

 

 すべてのものを平等に救うという阿弥陀様の本願力にて、往生即成仏の身にならせていただくより他に道はないと心得るべきでしょう。

 

 仏教では、「殺してはならない、殺さしめてはならない。」「世の中が安穏(おだやか)」である為には「仏法ひろまれ」と親鸞聖人は言われます。釈尊は、「兵戈無用」であるためには、仏法が繁盛しなければならないと言われます。仏法ひろまれという願いをもって生きたいものです。